知っておきたいリスク 要注意!未承認薬には危険がいっぱい

薬局で、「日本では未承認の薬」や「海外製のサプリメント」などについて相談されたことはありませんか?2019年1月末、国内のとある雑貨店にて、未承認の風邪薬を販売していた疑いで経営者が逮捕される事件が発生しました。問題になった薬は、フィリピンから輸入した風邪薬だそうです。今回は、海外製の未承認薬にまつわるリスクについて見ていきましょう。

メリットよりリスクが大きいケースが多い
ご存知の通り、未承認の薬を国内で販売する行為は医薬品医療機器等法に抵触する違法行為です。しかし個人が海外旅行などで買った薬を正式な手続きの上持ち帰り、自分で服用することは法律上認められています。

海外で使用されている薬の個人輸入に関して、厚生労働省からは「リスクをよく考えて」という注意喚起がなされています。その危険性として挙げられているのは第一に、効果の検証が十分でない可能性があることです。国内で販売される薬に関しては、そもそも期待されるような効用が存在するのか、重大な副作用はないかなど、しかるべき機関にて確認されて初めて流通することになります。

しかし、未承認薬に関してはこの限りではありません。薬自体は広く認知されたものでも、見た目のよく似た粗悪品という場合もあり得ます。また正規品で用法用量を守って使ったとしても、薬である以上副作用が出る可能性はゼロではないのです。もし重大な症状が出た場合は医療機関を受診することになりますが、未承認薬に関しては医療の専門家でも十分な知識がない場合があります。適切な処置が難しくなってしまうかもしれません。

「美容、健康サプリだから大丈夫」はNG
例え薬と書かれていなかったり、薬のような見た目ではなかったりしても、薬と同じ成分を身体の中に入れれば同じ効果が出ます。健康食品や美容機器として売られていても、中身は実質的に薬であるというケースにも注意しなくてはいけません。薬剤師の立場から見ると、ハラハラするような利用の仕方をしている方もいらっしゃるようです。

実際過去には中国で健康食品などにも使われる青黛(せいたい)について、摂取した潰瘍性大腸炎患者が肺動脈性肺高血圧を発症したという報告が複数出た事例もあります。国内で販売される薬を用法用量の範囲内で使う場合、もし重大な健康被害が出ても救済措置が定められています。対して、未承認薬に関しては全て自己責任になってしまうのは非常に大きなリスクです。

薬について「よくわからないけど多分大丈夫」が命取りになるかもしれないことは、薬剤師の皆さんが一番ご存知のはず。身近な人や患者さんが個人輸入を考えていると知ったら、こうした危険があると伝えるだけでも健康被害を減らせるかもしれません。