昨年より有給休暇の取得日数増?「取得徹底のための2つの方法」

ミスの許されない緊張感がつきものの仕事、薬剤師。その分休暇でしっかりリフレッシュしたいものですよね。去る2019年4月の労働基準法改正では「すべての企業で年10日以上の有給休暇が付与されている労働者には年5日以上の有給休暇を取得させる」ということが、使用者へ義務付けられました。結果お休みを取りやすくなった人が増えたようで、エクスペディア(ベックストラベルジャパン・東京)「有給休暇に関する意識調査」を行ったところ、おおよそ3割の人が「昨年より有給取得日数が増えた」と回答する結果となっています。

この制度が設けられた背景には、有給休暇が付与されているのに、職場への配慮などから休暇を取得できずにいる労働者が多いという状況がありました。そもそも個人が5日以上の休暇を自主的に取得してくれれば何の問題もありませんが、そこは気遣い気質の日本人。なかなか取得率が伸びなかったといえるでしょう。

そんな中で休暇の取得をスマートに徹底させた企業は、法とどう向き合いどのように制度化したのでしょうか。有給休暇取得義務化に対する対策としては、以下の2つの方法がメインとなりました。

柔軟さがメリットの「個別指定方式」

労働者がいつ有給休暇を取得するのかを、原則として本人の自由に任せ、その上で会社側が労働者の有給休暇取得日数をチェック。期限内に5日の取得が完了しなさそうな社員に対しては適宜、会社から有給休暇取得日を指定する方法です。

この「個別指定方式」における最大のメリットは、なんといっても労働者の希望に柔軟に対応できること。働く側にとっては、明日への英気を養う、またご家族との時間や自己啓発の時間を充実させられる休暇の自由度は、給与と並んで最大チェック項目。自由度の高い方が労働者の満足度が高くなることは間違いありません。少人数の会社、また現状で5日以上休暇を取っている人がほとんど、という場合はこの方法が適していたようです。

管理しやすい「計画年休制度」

しかし、人数が多い会社などでは個別の休暇取得日数を全すべてチェックするのは大きな負担になる場合も。さらに取得日数が5日未満の労働者に取得を促して回らないといけないのも管理職にとってはかなりの手間です。そこで登場するもう1つの制度が、会社側から5日分の有給取得日を指定してしまうというやり方。全社一括で定めるもよし、部署ごとにわけるもよし。あらかじめ決めてしまえば、管理の手間を大幅に減らすことができます。

ただし、この方法を取る場合は事前に会社と労働者の代表とで合意を形成する「労使協定」を締結するという形になります。こうなると、会社側の都合で有給取得の日程を勝手に変更することはできません。いざ休暇指定日が来た際、急に人手が必要になったというケースでは困ったことになる可能性があります。ただ、急を要する必要人員変更のない会社の場合にはこの方法を採用することで、管理コストの最適化につなげられるといえるでしょう。

この有給を取得させる義務について、怠った場合使用者には30万円以下の罰金が課せられると法で定められました。罰則制度が設けられたことで、働きやすい環境づくりも具体的に進みつつあります。薬剤師の皆さまも現在の自分の職場はどういった制度なのか今一度確認するとともに、もし転職を検討する場合にはこの点をしっかりチェックしておきましょう。

【参考資料】
「有給休暇に関する意識調査」エクスペディア(ベックストラベルジャパン・東京)
https://www.somu-lier.jp/column/mandatory-paid-holidays/